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記忘記 note/off note 2017-04-18



読後MEMO
今野勉『宮沢賢治の真実 修羅を生きた詩人』 

今野勉『宮沢賢治の真実 修羅を生きた詩人』 (新潮社 2017年2月)を読む。かつて詩人にして稀代の工作者・谷川雁は『ものがたり交響』(筑摩書房 1989年)において宮沢賢治作品のもつ豊穣な物語資源、テキストの多義性を開示してくれたが、本書はテレビマンという著者の経歴に相応しく、賢治心象のスケッチを現実のタイムテーブル上に丹念にトレースしながら物語の内奥に眠る実相を鮮やかに喚び覚ますドキュメンタリ的手法が採られている。同時にそれは、本書で採用された手法と等しく賢治作品もまたドキュメント性に裏打ちされた現代のものがたりであることを大きく示唆してくれる。「東北」「FUKUSHIMA」「熊本」「オキナワ」etc、現在を如実にあらわすキーワードを宮沢賢治、風の言葉に重ね合わせながら「いま」をどう読み解くか。ひとえにそれはわたしたち一人ひとりの主体にかかっているだろう。曠野のただなかを風に吹かれて旅人のように彷徨うのもいい、本書に触発されてもういちど、あの厖大な宮沢賢治全集を耽読したくなった。労作にして好著。

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