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記忘記 note/off note 2018-08-14



焦土に歌声響く、か

昨晩、SP巷談 二〇世紀之大衆藝能[邦楽篇]第47回
「唄は世に連れ、世は唄に連れ… SPで綴る昭和世相&芸能史⑩」(高円寺円盤)。
昭和20(1945)・21年のSP音源を聴く。20年は敗戦間際の断末魔、とても音楽や娯楽どころではなかったろう。当然、物資も窮乏していたからレコードはほとんど作られていない。ところが 8.15敗戦を迎えると一転、マイナーからメジャーへいきなりコードチェンジしてしまうのである。当時の流行歌を振り返ると、並木路子『リンゴの歌』や、田端義夫『かえり船』のような哀感が漂う歌がないわけではないが、焦土の歌声はどれも底抜けに明るい。ほとんど自棄糞気味と言えるほどだ。それほど大衆が抑圧からの解放を渇望していたからでもあろうが、どこか「上っ調子」な印象を受けたことは正直に告白しておきたい。たとえば、案内人・岡田則夫さんが紹介してくださったエピソード、当時最大のスター、オカッパルこと岡晴夫の陽気な歌声の陰には重度のヒロポン中毒の悲惨がかくされていたという現実。そのように巷の明るい歌声と大衆の身体とが著しく乖離していたように感じる事象は少なくない。大衆は戦後「解放」が「五族共和・王道楽土」の戦時スローガンと等しい夢まぼろし、馬を親方日の丸から単にアメリカへ乗り換えただけの欺罔と本能的に覚ったから、その一期の夢を朗らかに歌いとばしたのか。おれにはまだわからない。だが、この敗戦後の「世相」の再検証のなかにこそ、「現在」も連綿とつづく、この国の精神風土の原基が醸成されていった痕跡が確認できるのではないかと心弱くおもうだけだ。次回は大衆の飢餓が沸点に達する「闇市」の巷を歩く。乞うご期待。

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