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記忘記 note/off note 2017-03-24




テキサス・アンダー・グラウンド/ストラーダ(OFF NOTE / ON-28)

日々の泡にまみれているとものみななべて記憶の底に埋没してゆく。本作もまたリリースしてすでに20年ちかくの歳月が経つことになるのか。思い起こせば本録音は東京郊外の小高い丘の上にあった音楽ホールを数日レンタルしておこなわれたがたぶん、ザバンドを敬愛してやまない桜井芳樹さんの提案だったようにおもう。無味乾燥なスタジオワークを嫌ったバンド一党は三作目となる『ステージフライト』(1970年)の録音を古い劇場に機材を持ち込んで臨んだが、おそらくそれに倣ったのではなかったか。
ストラーダは日頃からリハーサルを数多く重ねるバンドだったから録音は滞りなく順調に進んだだろう。全録音&編集が終わり、機材を撤収してホール前の駐車場でメンバーと立ち話をしていると、いまは亡き酔いどれトロンボーン吹き・大原裕さんが楽器を肩に担いで一人宵闇の坂を上ってくるではないか、それも些かアルコールを含んだ千鳥足で。当時、大原さんは友人たちのバンドに乱入する掟破りの蛮行を頻繁に重ねていたが、ストラーダの録音にもそれを敢行しようと目論んでいたものと思われる。だがすでに時遅し、大原さんが景気付けの一杯を呑んでるうちに録音はすべて終了していたという次第だ。よしんば、録音に間に合ったとしても、素面であったとしても大原さんに録音のチャンスはなかったはずだ。ストラーダの音楽はメンバー4人の間でよく練られた構築的な音楽だったから。その後、丘を下りて入ったラーメン屋で肩を落としてひたすらボヤく大原さんを皆で慰めたように記憶している。
だがいま思えば、大原さん自らがリーダーを務めていたいくつかのバンド、サイツはもちろんリブ!ラフ!やラ・ティエンダとストラーダの本格的な共演が実現していたら同時代音楽の新たな一方向を示せたかもしれない。それはグローバルな視座に裏打ちされた「世界音楽」としての大きな可能性だ。いま、大原さんはいない。けれども、思い出と共に大原さんが残してくれた音楽がある。だとしたら、まだ先へ進める。ストラーダの三作目もそろそろいい頃合いだろう。重い腰を上げねばならぬ。

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