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記忘記 note/off note 2020-03-26

篠田昌已の声が喚び起すもの

星の音楽家・篠田昌已が初リーダー作『コンポステラ』(ptff tp)をリリースしたのはたしか1990年だったとおもうが、「星の伝説」は1987年のこの演奏をもってすでにはじまっていたのだとおもえてならない。もちろん、初リーダー作のなかで提示された同時代の傾向音楽-あるいは獲得されるべき前未来志向型世界音楽の予兆-としての旗標は未だ鮮明ではないが、そこへ到るロードマップが本作にはくっきりと描かれているし、なによりもここで聴こえる篠田のアルトサックスの醸す響きと色彩はただごとではない。1960年代のアルバートアイラーのサウンドがゲットー内部に住む虐げられた黒人大衆の魂の奥底を烈しく揺さぶり、内部にねむっていたネグリチュードを呼び覚ます雄叫びであり、台頭するブラックパワーの狼煙であったように、篠田のアルトもまた、同時代の根基底から湧き起こる波動と同期して、わたしたちの情操に絶えず訴求し喚起してやまないインスピレーションと世界記憶の圧倒的総量を饒舌に物語る。篠田は同時代の流動する基底を瞬時に感知し号令する、中天の律呂と地底(ちそこ)の鼓動を照応させて浮かび上がらせた「反射する道」を歯軋りしながら往き来する虐げられたものたちの魂を励起し突き動かさずにはおかない共生の「声」をどこで入手したのか。その入手経路を辿る重要な痕跡が本作のなかにある。今日たまたま出会ったチャーリーパーカーの言葉を措こう。「音楽は君自身の経験であり、君の思想であり、知恵なのだ。もし君が真の生活を送らなければ、君の楽器は何も真実の響きを持たないだろう」。まさに然り。そして「楽器の音色こそオノレの生きざま、オノレそのもの」「最後は音色しかのこらない」とは篠田が最も尊敬した同時代の音楽家・原田依幸の言葉。 2020.3.26

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