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記忘記 note/off note 2020-06-26

歴史を変換する物語装置

2か月前二綴った拙文と一昨年前のMEMOをコピペ。古いMEMOはよく覚えているのに、最近の拙文はまるで覚えていない。瞬時の着想をそのまま写し取る自動筆記法がようやく身についてきたゆえか、老化の兆しか。ま、いずれにしても我がことを他人の仕業のように眺められるのはたのしい。そんなふうに過去の「作品」も聴きたいが、こちらは多くの人との協働である以上、そういうわけにはいかぬ。難儀なことだが、労苦の中にこそ充実した喜びも達成感もあるのだから仕方ない。願わくは同時代音楽における圧倒的マルチチュードの創出を。 2020.6.26

下記に掲げる2018年8月に綴ったMEMOを再読して、いまやるべきことのひとつがおぼろげながら浮かびあがってきた。わたしは拙文の文末に本作『蓬莱行』続篇を「南島通信』であると示唆した。おそらくこのタイトル(テーマ設定と言ってもいい)には『蓬莱行』で描いたユートピアへの憧憬を内側から食い破り、南島の現実生活、自然と人の葛藤と格闘の中から唄が生起してくる「原点」を黒々と示すと同時に、唄の発生地点を「拠点」化しつつあらたに発信される世界音楽の態様を粗々あらわすことが企図されていたはずである。そう、読み・書き・編集・通信可能な「記憶装置」もしくは記憶のオフノートをフラッシュバックさせる「物語機関(モノガタリカラクリ)」のマルチオーラルメディアとして。はからずもパンデミックの旋風が国境も人種も世代も性差も職能も無化するグローバル化を示しながら猛威を振るているいまだからこそ、わたしたちは現代史へのアンガージュを同時代の唄と音楽に宿らさねばならぬ。わたしたちが西表炭坑史、「戦争マラリア」を主題とする八重山マラリア史と連牽する現代史「小さな島の大きな歴史」の惨苦・災禍を夢魔の彼方からふたたび召喚し唄に滲ませようとするのは、唄が民衆にとっての憑代であり救済であったからにほかならぬ。わたしたちはもういちど、人類の「宿命」を「使命」に変え、現在の「災厄」を「至福」へと転換する一筋道を本作の続篇『南島通信』として示せるだろう。 2020.4.25

MEMO 蓬莱行 2018

本作はオフノート初の2枚組コンセプトアルバムとして2003年にリリースされた。録音は前年の初夏から開始され極月までおおよんだからほぼ半年、要した総録音時間はおそらく400時間はくだるまい。なぜ、わたしたちは来る日も来る日も飽かずに、まるでなにかに取り憑かれたように録音に没頭したのか。いまもそうだが、16年前の当時も音楽をめぐる情況は息苦しさの度合いを日増しに深めていただろう。多くの同業者がリタイアを余儀なくされ、音楽業界全体も活気を喪いかけているように、わたしの目には映ったのである。かくいうわたしも「CDがまったく売れない」現実に日々呻吟していたのだったが。だが、人はいかなる困難の最中にも夢をみる。否、困難であればあるほど、豊穣に灼けつくほどしたたかに。制作経費どころか自身の生活費さえままらなない「いま」だからこそ、インディーズの初志を貫徹しなければならぬ、音楽を断じて小さなものにしてはならない、そうおもった。わたしたちは「泥船」を仕立てて苦海へ乗り出したのである、遥かなる音楽の桃源目指して!幸い、渡辺勝、ロケットマツ、関島岳郎、中尾勘二。4人の熟達がマエストロ役を買って出てくれたおかげでこの泥船は「航海」に耐え得るものとなり、気付けば31人もの乗組員、気鋭の音楽家たちがわがボロ船「蓬莱丸」に同乗して力を貸してくれたのだった。わたしたちの無謀な航海はつねに音楽を司る神に護られてあった、いまはしみじみそうおもうことができる。歴史の辛酸をなめ尽くしてきたオキナワには「ニライカナイ」というユートピア幻想がある。唯心の浄土を胸内に描いて苦海の海を北へ西へ、東へ南へ乗り出してゆく、唄ひとつ、唇に携えて。わたしたたちもそんな先人たちの心意気に学びたいとおもった。そして、かれらが辿ってきたであろう道をふたたび辿り直しながら、のこした足跡を至福の『歌声』「音楽」に変えようと全力で務めた結果が本作なのである。
…と、ここまで綴ってもうダメだ。あとがつづかない。本作について語ろうとするとき、気持ちばかりが先走って考えがひとつにまとまらぬ。それに「想い」にばかりつきすぎて恥ずかしい。依頼原稿なら当然「ボツ」にするところだが、これがいまの偽ざる真情なら仕方ない。これではまるで宣伝にはならないから「MEMO」は折りをみてあらためてチャレンジすることとしたい。最後に言いたいことはただひとつ、わたしたちの「現時点における最高傑作」をぜひご一聴くださいますよう。
2018年現在、最早常態化した観がある構造的音楽不況。本作続編『南島通信』制作着手の時機到来か。生きにくい時代にも、否、生きにくい時代にこそ「まぼろしに向かって人は立つ」のだから。 2018.8.28

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