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記忘記 note/off note 2021-10-25

思案のしどころ

演歌が好きだ。だが昨今の不調は目を覆うばかりだ。まず発声が変わってしまった。コブシに内実がない。機械的にコロコロ回って曲の上を滑ってゆく。次に歌詞の中身がからっぽだ。心の琴線にまるで共鳴しない。歌は時代と共にある。世間が沈み人間ドラマがなければ演歌が輝かないのも道理か。

演歌が大衆に響かなくなった大きな要因は演歌内部のメカニズムが外部世界と同期しなくなったからだろう。ヴァージョンアップすること。そもそも和魂洋才こそ演歌の本領ではないか。藤圭子のブルースを宇多田ヒカルのR&Bに置換しても魂の底の方で通底する回路はきっとある。ここが思案のしどころよ。

頭にできた湿疹がひどいので皮膚科へ。医師から「持病は?」と尋ねられ「先天的視覚障害でここ数年は高血圧。最近は突発性難聴を発症しました」と答えると「ま、皮膚病くらいは治しておこうか」と気の毒そうに慰められる。故林家三平決め台詞が自嘲的に思い浮かぶ「体だけは大事にしてください」。ちなみに病名は脂漏性皮膚炎。

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