記忘記 note/off note 2022-01-14
日々の泡
本日定期検査。心電図をとるため検査室ベッドに横たわっていると隣室から「痛いよ〜」と注射の痛みに泣く老爺やトイレからも「もう下着穿いてもいいですか〜」という老婆の声。ああ人間みな子供に還っていくんだなとしみじみ実感。ならば私などはまだ青年。暫しのモラトリアムを思いっきりたのしもう。
20代の頃だったか。祖父母と暮らす友人が「年取ると子供に戻るんだが狡さだけはそのまま残るから困る」と語っていたのを思い出す。老獪さは人生の辛酸の結晶だから除去できぬししない方がいいだろう。そこに一朝一夕ではあらわせぬ深い味わいもあろうというものよ。無邪気で老獪なジジイが私の理想だ。
子どものように無邪気なおじいさんや可愛らしいおばあちゃんなら沖縄でいっぱい見てきた。沖縄には老いを自然に受け容れる成熟した共同性が途切れず息づいているから。年配者を屡々偏屈・依怙地にしてしまうのは私たちが住む社会が未成熟だからだ。年配者が居心地の良い社会を。
2022-01-14 21:49