記忘記 note/off note 2022-09-15
1998年のオフノート
今月はまだ通販注文が一件もきてない。こんなときは「CDの終焉」を身をもって実感する。同時代の記憶を記録する運動体としてのオフノート。思えば28年の歩みはCDメディアの興亡とともにあっただろう。ならばその寂滅をしかと見届けよう。死灰の中から表現をめぐる新たな共同性が立ちあがるかもしれぬ。
遅ればせながら『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書 2016年〕を読む。宇多田がデビューした98年はCDが最も売れた年。いくつかの要素と条件が重なってあらわれた歌姫の群像。だが水面で歌うディーヴァたちの水底を絶えず響もしていたものの正体を忘れまい。時代の通奏低音としてのインディーズ。
2022-09-15 15:36