記忘記 note/off note 2023-01-25
遊びながら働く
「人間は遊びながら働く生きもの」。『鬼平犯科帳』長谷川平蔵の至言である。弛緩と集中。表現の領域はこの二つが同時に要請されるだろう。それとは別に齢を重ねるごとに好い加減と頑なの度合いを急激に深めてゆく自分がいる。ならば融通無碍な堅固というのは可能か。残り時間を遊びながら働いて試してみるか。
遊びながら働く。思えば音盤制作もまた遊びと仕事が分ち難き稼業だ。遊びの裡に表現の芽が萌え忍耐と苦行の末に悦びの花開く。だからこそ30年続けてこられたのだ。自分が歩いて来た道に悔いはないかと問われたらあると応える。が・苦楽がない混ざった時間の堆積・同時代と私の相渉の記録だけは誇れるか。後戻りはしない。
2023-01-25 13:00