記忘記 note/off note 2019-01-10
MEO 1983―2019
天才・原田依幸、1983年の記録である。バンド名に冠した「アレオパディティカ」はジョン・ミルトンの著作から採った。同書の中でミルトンはこう述べている。「なべての人々に言論のフリーマーケットを与え、各人をしてその信ずるがままに発言させよ。この自由市場では、いかなる権力の干渉も許されず、言論は言論とのみ相闘うのである。セルフライティング・プロセス=自動調律性がそこに働いて、正当で真実な言論は勝利を得、不正で虚偽な言論は敗北するであろう」と。文中の「言論」を「ジャズ」「即興演奏」あるいは「表現」に置き換えて読んでいただければ、わたしたちがこの音楽に込めた意図と想いは明瞭だろう。この一文には「自由な表現」の原理が脈々と息づいている。そしていま、この原理を最も体現する者こそ原田依幸と信じて疑わない。原田依幸は36年前も現在も表現のなかに自由を渇仰しつづけてやまない。そして、原田の自由への闘争はこの重苦しい時代に風穴を開け、表現の沃野に新たな道をかならず拓くだろう。乞うご一聴。 2019.1.10
2019-01-11 14:36