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記忘記 note/off note 2019-02-08


そうだ、本作ジャケットはつげ忠男さんが若かりし頃に勤めていた製薬会社(とは名ばかりの血液銀行)近くで撮られたものだ(撮影は桑本正士さん)。「丘の上でヴィンセント・ヴァン・ゴッホは」「どぶ街」「屑の市」等、綺羅星のごときつげ忠男70年代の名作の数々がこの界隈を舞台に生まれた。船戸さんにとってははじめて訪れた見知らぬ街だろうけど、この人はどこにいてもすぐに風景の中に自分を溶け込ますことができる。音楽の中を自在に泳ぎ廻れる真の自由人だ。今日も船戸さんは京都の町屋と町屋の間を辻から辻へ、自転車に乗って疾駆しているだろうか。マージナルマン・船戸博史! 2019.2.8

MEMO LOW FISH 2018

 ここ数日、 定期検診に通っている病院で風邪を染されたらしく、すっかり体調を崩してしまった。それで本作の成立事情が記憶の底から蘇ってきたのだから可笑しい。2004年2月、わたしたちは小暮はなの第一作(『鳥になる日』off note / on-51)を制作するために京都に向かった。東山を望む南禅寺にほど近い町屋を二棟借りて録音&合宿を敢行しようという目論み。が、録音当日、主役である小暮はなちゃんが初録音の緊張からか風邪を拗らせてまるで声が出ないありさま。当日の録音を仕方なくあきらめ、自宅で養生してもらうことにする。手持ち無沙汰のわたしたちはほどなく酒盛りを始めた。すると、どこからか聞きつけたのか、京都の仲間たちが一人また一人とやって来る、船戸博史さんもやって来た。その中には亡くなったひがしのひとしさんも薄花葉っぱのメンバーもいたと思う。体調不良で自宅療養のはずのはなちゃんまで途中参加したのだから何をか言わんや。「ま、それにしてもはなちゃんの声が明日から急に戻るわけでもなし。これからどうしようか?」と誰か。「ならば、船戸さん、アナタのソロでも録音しちゃどうだ?」と冗談交じりにわたし。すると、関島岳郎さん(『鳥になる日』プロデューサー)もエンジニア・石崎信郎さんも「そいつはいい、やろうやろう」とけしかけ、居合わせた一堂も「やれ、やれ」と囃し立てる。船戸さんも照れながら満更でもないご様子。そんなふうに「瓢箪から駒」(冗談から駒?)が出てきてはじまったのが本作。怪我ならぬ風邪の功名だね。それでも翌日には実際に録音が始まったのだからすごい。関島さんは本作のために「東山」という重厚な名曲を一晩で書き上げてくれたし、船戸さんもあたためていた作品を何曲か持参して初リーダー作にやる気を示してくれた。それにしても船戸博史の身軽さよ。コントラバスという家具のように重たくてでっかい楽器を小脇に抱えて京都の町の筋から筋を曲芸師よろしく自転車に乗ってきたもんだ。その姿を見てオレは思ったね、この人は正真正銘の自由人だな、と。コントラバス一つ、身ひとつで世界と異界を跨ぐマージナルマン・船戸博史。
 2018.2.21 神谷一義(オフノート)


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