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記忘記 note/off note 2019-02-12



美空ひばりの跫

昨日『SP巷談 二〇世紀之大衆藝能』(高円寺円盤)第五〇回、無事終了。友人・沖内辰郎さんがバンド仲間のお二人を同道してくれて、終始和気あいあいとした雰囲気に包まれる。当夜は昭和26(1951)・27(1952)年のSPを聴く。浅草紅香『パチンコ節』オブラートなしでそのものズバリの戦後的艶笑小唄に笑い、三木鶏郎『僕は特急の機関士で』時代のスピードより一足速い快速調にやられたが、やはり白眉は美空ひばりというべきだろう。ひばりはこの頃、まだ齢一四か一五だったはずだが、完全に少女歌手の域を超えている。1952年3月『リンゴ追分』、6月『お祭りマンボ』だからね、振幅が恐ろしいほど大きい。たった3ヶ月の間に民族的情感をひたすら深化させ、地声と裏声を自在に使い分けて地球を手玉に取ってコロコロ転がすなんて芸当ができるのは化け物だ。凄い!の一言に尽きる。おそらくSPレコードが幕を閉じる最期の瞬間まで、歌姫・美空ひばりの成長過程を記録することがこのメデイアの大きな役割の一つろなったのではないかというのが愚見。ともあれ、およそ八年を要してようやく五〇回。さらに一〇〇回目指して一回ずつ会を重ねてゆく所存。これからもよろしくお願いいたします!

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