記忘記 note/off note 2015-06-12
ORNETTE COLEMAN Home Going
六月十一日、オーネットコールマン逝く。
朝起きて着信メールをチェックしていたら突然、「 ORNETTE COLEMAN Home Going」の文字が目に飛び込む。訃報はNYC在住ベーシスト、ウィリアム・パーカー氏がもたらしてくれた。いつになく悲しい朝だ。頭の中で無調の葬送行進曲が鳴り響く。死因心不全。享年八五。
頭の中をハーモロディクフューネルマーチが駆け巡る中、僅かな記憶を辿ってオーネットを想う。わたしにとってプライムタイムを従えての来日公演は生涯忘れられないものとなった。メンバー各々自由に奏で象る行雲流水の不定型で曖昧なフォームをハーメルンの笛吹きよろしくサックス一本で瞬時に風と水の呂律に変え宇宙の法則にまで高めてしまう魔法のような軽業。音楽でしか表せない多様性の統一を原理とする夢幻のジャズ響和国をしかと認めた至福の時間であった。
わたしたちはあなたからもらった沢山の贈りものを今日を生きる音の力に変えて多くの人たちと分かち合って暮らしてゆくだろう。
オーネット、ありがとう。安らかに。
あなたをけっして忘れない。2015.6.12
2015-09-08 23:40