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OK-1 楽しき南洋 / あきれたぼういずと川田義雄 [2CD]


「SP音源で綴る 二〇世紀之大衆藝能」シリーズ 1
楽しき南洋/あきれたぼういずと川田義雄



もうひとつのぼういず伝説。あきれたぼういずと川田義雄。戦時中のSP音源を纏めた未覆刻音源集。 ディスク1は川田義雄脱退後の「第二次あきれたぼういずの音源を中心に様々な時代の制約で改名を余儀なくされたあきれたぼういず改メ新興快速舞隊の音源収録。ディスク2はぼういず脱退後の川田義雄ソロワークにミルクブラザーズのメンバーで川田実弟・岡村龍雄(1944年グアムにて戦死)の稀少音源も併録。歴史の曇り硝子の向こう側に浮かび上がる、もうひとつのぼういず伝説。監修:瀬川昌久 2010年作品

「昭和12年(1937年)の吉本ショウに川田義雄をリーダーとする「あきれたぼういず」4人組が発足して、大好評を博し、昭和14年に分裂して、川田義雄はミルクブラザースを結成、残り3人がメンバーを補強して「あきれたぼういず」の名を継承して活動を続け、何れも戦前芸能界の尖端的なコミックバンドとして、傑出した存在だった。戦後は、川田義雄(晴久)は「ダイナブラザース」を率い、「あきれたぼういず」は3人組で活動を再開したが両者共数年で解散した。しかし「あきれたぼういず」が同時代及び後生の芸能界に与えた影響は、測り知れぬ程大きく、戦後のクレイジー・キャッツからドリフターズを経て今日まで脈々と続くコミック・バンドの系譜は、全て川田義雄を筆頭とする「あきれたぼういず」の斬新な演芸センスとその技術に端を発しているといっても過言ではない。
幸いなことに、「あきれたぼういず」のショウ作品は、戦前期としては珍しい位多くのレコードに残されており、川田義雄に至っては、彼独自のソロによる語りと唄が相当数録音されている。その全貌・詳細は別紙ディスコグラフィーの如くであり、「あきれたぼういず」名儀がSPレコード26枚、川田義雄グループが7枚、川田のソロが15枚の多きに亘る。
勿論、川田義雄並びにあきれたぼういずの業績は従来から高く評価され、既にLPとCDに覆刻された作品も別表記載の通り多い。しかし仔細に分析すると、まだ全く覆刻されていない作品も相当数ある。よって今回未覆刻作品全てを収集して2枚のCDに収録することにした。この中には、川田義雄が歌手たちの歌謡大会の司会役をつとめたものや、川田の実弟岡村龍雄のコミック・ソングなど従来看過されてきた稀少盤もあり、ほぼ 、川田とあきれたぼういずに限っては完全収録出来たのではないか、と思うが、尚欠落した吹込みがあれば御教示頂ければ幸いである。このアルバムが、川田とあきれたぼういずの先駆的な音楽センスに対する感心を再度喚起することを切に願う。 」瀬川昌久(ライナーより)

あきれたぼういずと川田義雄
「1937(昭和12)年8月、吉本ショウで活躍していた川田義雄をリーダーに、坊屋三郎、益田喜頓、(坊屋の実弟)芝利英の四人組“あきれたぼういず”が結成された。グループ名の由来は、同年5月、浅草花月劇場での第58回「ブリュウ・ジャケット」第十二景のタイトルから。ジャズと浪曲、コーラス、漫画映画の声帯模写を盛り込んで「ボーイズ芸」の元祖となった。音盤でも「四人の突撃兵」「スクラム組んで」「商売往来」などを次々とリリース、東宝映画『ロッパの大久保彦左衛門』(1939年・東宝・斎藤寅次郎)に出演するなど、その人気は全国区となる。
ところが、1939(昭和14)年、新興キネマ演芸部があきれたぼういずの引き抜きをはかり、坊屋・益田・芝の三人は新興に移籍、川田は吉本興業に残り、グループは事実上の解散。オリジナル・メンバーの活動期間は、およそ10ヶ月という短いものとなった。
Disc.1「あきれたぼういず/樂しき南洋」は、坊屋・益田・芝の三人に、ロッパ一座の“ハリキリ・ボーイズ”で活躍していた加川久(山茶花究)が加わった(第二次)あきれたぼういずの、これまで未LP/CD化だった貴重な音源を覆刻。
Disc.2「川田義雄・岡村龍雄/浮草劇場」では、ソロとなった川田のレコーディング、ミルク・ブラザースに参加した実弟の岡村龍雄のソロ音源、そして戦後のダイナブラザース時代の、やはり未CD化音源を中心に収録。これで「ぼういず伝説」(ビクター VICL-61714)、「あきれたぼういずアンソロジー」(テイチク TECH-25064)と併せて、あきれたぼういず、川田義雄(後に晴久)が残した音源の全容を気軽に楽しむことができるようになった。 」 佐藤利明(ライナーより)

「1994年、『会津ムラムラ』というイベントでご一緒させて頂いた。坊屋三郎さんのステージは、気品と自信に満ちていて、とても楽しい思い出です。
今回このCDを聴いて、改めて、あきれたぼういず、そして川田義雄さんの芸達者に感嘆しました。特に山茶花究さんの歌のうまさにびっくり、役者としての記憶しか僕にはなかったからです。それとやはり、凄いと思ったのは、ギター伴奏の多様さとセンスの妙です。これは一体どなたなのでしょう?
ナンジャラホワーズのミス妙子さんの声を聴いて、真っ先に思い浮かんだのは、大阪の女漫談家、吾妻ひな子さんです。一瞬本人かと思ったのですが、年代的にズレがあります。とにかく味があって、おまけに僕の大好きなバンジョーもとても上手で、こんな時代にこんな人がいたことが知れて、もう大感動です。」 チチ松村

「奥が深くてワイルドで、洒脱で時にハチャメチャな、そういう音楽。21世紀に現役でこんな人たちはいない。いたらおめにかかりたいもんだ。昔の人はバリバリにかっこよかったんですね。おもしろくて勉強にもなります。ジャンルはもちろん無用の日本です。」湯浅学

「なにはともあれ、あきれたぼういず。ボーイズ芸の至宝&コミックバンドの源泉。未CD化音源がこんなにあったとは。そして、関西人としては、負けずとも劣らぬ喜びが、宮川左近ショウ。自らの芸をパロディー化&デフォルメした浪曲ショーの醍醐味に打ち震える。さらに、世紀の隠し玉、謎だらけのナンジャラホワーズ。リード歌手、ミス妙子のチャーミングな語り口、阿呆陀羅経も内包したジャイヴ。これぞ大発見!“笑う昭和遺産”は笑いと音楽のキャパシティーを確実に広げてくれるはず。大口あけて、ココロも開いて、お楽しみください。」 安田謙一(ロック漫筆)


DISC-1 あきれたぼういず/樂しき南洋 
1 スポーツ會議(上・下)
2 当世かわったネ節
3 スパイ御用だ
4 村の防護団
5 浪曲温泉(ふろや)(上・下)
6 浮世床屋(上・下)
7 樂しき南洋(上・下)
8 清水一家(上・下)
9 海底物語(上・下)
10 新版ダイナ狂想曲

DISC-2川田義雄/浮草劇場
1 歌い初め (上・下)
2 浮草劇場
3 男ざかり
4 かはった活辯
5 袖珍ラヂオ版
6 踊る電話口
7 一心太助
8 赤城山ブルース
9 かはつたフォスター集
10 愉しき週表
11 笑和大学
12 声楽指南
13 歌謡漫談 かはつたオペラ集(上・下)
14 我が輩は天下のヤブである
15 大東亜戦争双六
16 冗談カクテル
17 新々八木節(荒船山

監修:瀬川昌久



[試聴]
DISC-1-3 スパイ御用だ:




OK-1 楽しき南洋 / あきれたぼういずと川田義雄 [2CD]

メーカー:オフノート / 華宙舎
型番:OK-1
JANコード: 4571258151012
価格:

3,850円 (税抜 3,500円)

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■ 商品説明

あきれたぼういずと川田義雄の戦中音源を中心に編集した未覆刻音源集。ディスク1に川田義雄脱退後の第二次あきれたぼういずの音源を中心に時代の制約で改名を余儀なくされたあきれたぼういず改メ新興快速舞隊の音源を、ディスク2にはあきらたぼういず脱退後の川田義雄ソロワークに戦死した川田実弟・岡村龍雄の稀少音源を併録。いま明かされるもうひとつのぼういず伝説。監修:瀬川昌久  

■ 商品仕様

製品名楽しき南洋 / あきれたぼういずと川田義雄
型番OK-1
JANコード 4571258151012
メーカーオフノート / 華宙舎
製造年2010年




アンソロジー「二〇世紀之大衆藝能」のこと

いま、わたしは、友人たちと共に一九一〇~三〇年代のSP音源をあつめた「二〇世紀之大衆藝能」というアンソロジーを計画中である。この企画は完結までに全三〇巻を要する厖大な記録となるだろう。おそらく、制作にかかわる時間は最低三年、あるいはそれ以上の歳月が必要となるかもしれない。けれども、縁あっていまも音楽制作に携わる者の一人としてこの仕事はかならず成し遂げるつもりだ。
二〇世紀のシュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤)、烈しい動乱の季節をただひたすらに懸命に生きた人たちの哭き嗤い、その息吹を夢魔の彼方から再び甦えらせる営為。そのことをいままさに嵐の中を駆け抜けようとしている同時代の友人、その一人ひとりにつたえる作業。それこそが音楽によって多くの出遇いを果たし恩恵に浴した者がとうぜん、なすべき報恩の証しなのだ、そうおもっている。この文章をあらたな「長征」の前に措く。以下、無謀な計画、アンソロジー編纂に立ち至った内的動機のあらまし。

二〇世紀を括って戦争と革命の時代であったとよく言われる。また、世界的規模で未曾有の民族移動がおこなわれた時代でもあった。この国もけして例外ではなかっただろう。明治「御一新」以来、「脱亜入欧」を旗印に「富国強兵」の掛け声の下、ただひたすら「国益」「内需拡大」を至上目的として、戦争に明け暮れたのである。さらに西洋列強から押し寄せた近代化の波は、この国の産業、ことに生産手段に劇的な変化をもたらした。そしてその当為の結果として大衆は農村での生活を追われ、都市、あるいは国外へとさらわれるように追いやれていったのだった。この国の民衆もまた、「近代」というこれまでに経験したことがなかった時代の坩堝に無理矢理放り込まれ病葉のごとく翻弄されたのある。
この国の近代化は大衆に一体何をもたらしたのか? 「戦争」と「重税」そして「流亡」だけではなかったのか?? いまあらためて二〇世紀を振り返ってみるとき、そう思わずにはいられない。だとすれば、この時期の大衆はしんじつ、不幸だったのか???
けれども、視点を庶民大衆に移し替えてみるとき、別の位相が浮かび上がってくる。たしかに一面、二〇世紀とは「戦争の時代」であったが、同時にこの国に「大衆文化」が成立した時代でもあった。映画、新劇、オペレッタ、浪曲、ジンタ、唱歌、童謡、歌謡曲&大衆小説…、これらの大衆文化はすべて二〇世紀の産物である。就中、映画と並んで「大衆歌謡」の出現は庶民大衆の圧倒的支持をあつめたと言っていい。謂うまでもなく、そこには「蓄音機」というあらたなメディアが大きく介在していただろう。二〇世紀初頭に登場してから半世紀あまり。唄は世に連れ世は唄に連れ、蓄音機は時代を映して、ときに朗らかな歌声を、ときに昏いささやきを、ときに甘く淫らな旋律を奏でて「ベルエポック」「ジャズエイジ」、疾風怒濤の時代の記憶を記録しつけてきたのであった。わたしたちは一九一〇~三〇年代のSP音源に刻まれた溝の裡にある、「もうひとつの歴史」を浮かび上がらせることを思い立った。そこにこそ、これまでにけして語られることがなかった庶民大衆、その豊穣な記憶の集積がかならずねむっていることと信じて。幸運にも戦前日本ジャズ研究の第一人者、瀬川昌久という大知識を水先案内人に得ることができた。そう、いまここに、浪曲のナショナリズム、その興亡の軌跡を、あるいは、ジャズのインターナショナリズム、驚くべき浸透力について、余すことなく語り尽くす端緒に着いたのである。わたしたちはきっと、記憶の底の底にふりつもる「歴史のオフノート」を鮮明に喚び起こすことによって、まったくあたらしい大衆藝能アンソロジーを編むことができるだろう。
 
神谷一義(TRUSH UP 転載 )


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