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MR-1001 THAT’S 浪曲ショー!!! / 宮川左近ショー [2CD]

上方藝能ルネサンスてなもんや藝能バラエティ 1
THAT’S 浪曲ショー!!! 宮川左近ショー [2CD]

キミは浪曲ショウの前で恥ずかしくないか?!
新生ミソラレコードの第一弾は宮川左近ショー・コンプリーツ・ローオンレコード。 大阪が誇る本邦一の浪曲ショーの至宝・宮川左近ショーが70年代にローオンレコー ドに残した二枚のオリジナルアルバムを中心に左近ショーメンバー・松島一夫と曉照夫歌唱の浪花歌謡全13曲、さらにローオン所蔵の未発表ライブ音源「瞼の母」を加えたボーナストラックいっぱいの贅沢な内容。初CD化。 2011年作品

宮川左近ショウ・マスト・ゴー・オン
 
宮川左近ショウを初めてテレビの寄席番組で観たのは小学校の低学年のころ。筆者は62年、神戸生まれなので、ちょうど1970年頃だったはず。演目はもちろん、宮川左近が何を唸っているのかなど、さっぱり分からなかったものの、向かって左で、えげつない顔をしてギターを弾いている松島一夫のことが気になった。以来、彼らがテレビに登場すると、必ず観るようになった。数年後、ドクター・フイールグッドというロック・バンドの、ウィルコ・ジョンソンというギター奏者(が動く映像)を最初に観たとき、まっさきに思い出したのは松島一夫だった。ヴォーカリスト以上に「目についてしょうがない」風貌とアクション。盛り立てているのか、邪魔しているのか、鼓舞しているのに、破壊しているのかよくわからない存在。マルクス兄弟で言えば、ハーポの役割か。
そのうち、暁照夫のことも好きになってきた。文字通り、目にもとまらぬ三味線の速弾き(バチではなく、ピックで!)のあと、シレッとした顔で「なんでこんなにうまいんやろ」とオトす、クールな芸。数年後、クイーンというロック・バンドの、ブライアン・メイというギター奏者を最初に観たとき、まっさきに旗照夫のことを…と言うのは、アトヅケだが、佇まいと、テクニック、さらにスキニーなルックスはどこか似ている気がする。
本盤にはこの2人がローオン・レコードに吹き込んだ歌謡曲が13曲収録されている。松島一夫7曲、暁照夫6曲という内訳だ。
歌は人を表す、といおうか。それぞれ一聴して誰が歌っているのかが分かる、個性そのものの歌である。ドブ板の底から聞こえてくるような松島の歌。グロウル(唸る)という言葉は米国黒人音楽のブルース歌手の特殊な歌唱法を形容するものだが、まさに、それにふさわしい声。
人の情け、愚痴、後悔、意地、恥、汗、涙、垢、脂で構成されたような、ドのつく演歌である。歌唱スタイルは「浪曲子守唄」のヒットを持つ一節太郎の流れを汲むものだが、一節はもともと浪曲歌手ではなく、師匠、遠藤実のアイデアでデビュー前の3ヶ月で“潰させた”もの(それはそれで凄い話だ)。対して、松島のダミ声は数十年の年季が入っている。
「任侠道」での生々しい言葉も、その声の迫力にかかればグッと渋みを増す。
 松島一夫と対照的に、暁照夫の歌声にはその芸風に通じる、ノーブルな響きがある。が、軽いというのとは違う。華麗な三味線のバチさばきに負けず劣らずの技巧に聴き惚れるば
かり。「旅姿神戸港」、「新太郎さん」の熱の入った歌唱はもちろん、「徳島の女」の表現が白眉。
今、宮川左近ショウを聴くと、なによりも宮川左近、そのひとが面白くってしょうがない。松島一夫や、旗照夫の魅力の影になって見えにくくなっていた、面白さがあった。
…「狂った」世界でただただショウを進行していく(ショウ・マスト・ゴー・オン)、その「船長」としての宮川左近。ある意味、もっとも狂っているのが、この人だ。
未発表だったライヴ音源「瞼の母」でも、「本格的な」浪曲に対して、自身の「浪曲ショウ」を卑下するような発言が何度も飛び出す。が、遜りつつも、その芸はホンモノだ。何度も使い古されている言葉ではあるが、パロディはホンモノによってしか表現出来ない。ついには、「たかが浪曲」とでも言わんばかりの境地に達しているようにも思える。イッツ・オンリー・ロックンロール。そこから、バット、アイ・ライク・イット、イエス・アイ・ドゥーと続くことは言うまでもない。
ニセモノだけが見せてくれる、ホンモノ以上のホンモノ。「えげつなさ」の果ての洗練。宮川左近ショウには、まるで僕がロックに求め、焦がれ続けるモノがある。

安田謙一(ロック漫筆)〈ライナー抜粋〉

DISC-1 THAT’S 浪曲ショー!!!
1. 桃中軒雲右衛門/宮川左近ショー
2. 花の講道館/宮川左近ショー
3. 殿中松の廊下/宮川左近ショー
4. 武士の情け/宮川左近ショー

DISC-2 LET’S 浪曲&歌謡ショー!!!
1. 瞼の母/宮川左近ショー
2. ああおやぢさん/松島一夫
3. 心の盃/松島一夫
4. 馬鹿なあいつ/松島一夫
5. 任侠の花道/松島一夫
6. 人生夫婦旅/松島一夫
7. 任侠道/松島一夫
8. しがらみ仁義/松島一夫
9. 有馬慕情/暁照夫
10. 思い出の宿/暁照夫
11. 泣き虫弱虫母恋し/暁照夫
12. 旅姿神戸港/暁照夫
13. 徳島の女/暁照夫
14. 新太郎さん/暁照夫

歌詞&文句掲載 豪華ブックレット付

監修:澤田隆治
制作:ミソラレコード

[試聴]
Disc-1-1.武士の情け


MR-1001 THAT’S 浪曲ショー!!! / 宮川左近ショー [2CD]

メーカー:ミソラレコード
型番:MR-1001
JANコード: 4571258159018
価格:

3,850円 (税抜 3,500円)

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■ 商品説明

新生ミソラレコードの第一弾は宮川左近ショー・コンプリーツ・ローオンレコード。大阪が誇る本邦一の浪曲ショーの至宝・宮川左近ショーが70年代にローオンレコー ドに残した二枚のオリジナルアルバムを中心に左近ショーメンバー・松島一夫と曉照夫歌唱の浪花歌謡全13曲、さらにローオン所蔵の未発表ライブ音源「瞼の母」を加えたボーナストラックいっぱいの贅沢な内容。監修:澤田隆治

■ 商品仕様

製品名THAT’S 浪曲ショー!!! / 宮川左近ショー
型番MR-1001
JANコード 4571258159018
メーカーミソラレコード
製造年2011年


大衆芸能再生とミソラレコード

レコードが新しいメディアとして登場した明治時代、大阪にもレコード会社が数多くあり競って上方の大衆芸能をリリースしたものだが、現在までレーベルとして残っているのは「テイチク」のみ。テレビ時代がきて大衆芸能の王者だった浪曲が衰退したころ、大阪に浪曲と河内音頭専門のローオンレコードが誕生した。昭和46(1971)年から15年、頑張って数多くの上方の大衆芸能のLP・カセットテープリリースして消滅した。縁あってそのマザーテープを保管することになり、京山幸枝若の浪曲・河内音頭を中心にCDで再生する作業を続け、可能なかぎりコロムビアレコードから全集という形で発売していただいた。それ以外の音源はよく判らないものもあり、テープの状態もよくないため再生をあきらめて処分することにした。平成22(2010)年に知り合った神谷一義さんが残っていた音源をきいた上で忘れられた大衆芸能を再生させたいと「てなもんや芸能バラエティ」のプランを私に提案された。不可能と思われた企画が次々と実現していき、プランは大きくふくらんでいる。ご期待ください。

ミソラレコード主宰 澤田隆治(メディアプロデューサー)


IT時代のモノガタリ 

最近、ふと考えることがある。この国から「大衆」の二文字が消えてしまったのはいつからだろう。気がつけば食堂、酒場、浴場、娯楽場…市井の巷から、文学、演劇、音楽に亘る文化領域に至るまで、何処を訪ねても「大衆」は悉く不在である。波が引くように消えてしまった人たち。かれら、この国の「大衆」は一体全体、何処へ行ってしまったのか?
ミソラレコード。ぼくたちは、いまこの国から急速に喪われようとしている「大衆藝能」、その再生と復活を目指して本レーベルの発足を思い立った。万才・落語・漫談・講談・浪花節等の「話芸」「語りもの」から、義太夫・音頭・民謡・端唄等の「音曲」、さらに戯れ唄・破れ唄の類まで。先人たちがぼくたちに遺してくれた無形の財産。血の滲む努力と辛苦粒々の汗とで築き上げたこの貴き「心の財」をけして散財してはならない。そして、この「心の財」を後世に漏らさずにつたえること。このことこそが残されたものが、現在と未来に果たすべき当然の使命なのだ、ぼくたちはそう思い定めている。そのためにいま、ぼくたちは何を為すべきか??
まずは塊から始めよ。瞑目して「大衆藝能」が生まれ育った原風景を瞼の裡に思い描いてみよう。下座の出囃子「寄席舞台」、一転、情緒纏綿・三味の爪弾き「料亭奥座敷」、あるいは老若男女が浮かれ踊る「櫓下」、さらに人々が烈しく行き交う「襤褸の巷」…。喧騒と束の間の静寂から沸き起こる庶民哀歓の活動劇「人生劇場」を埋もれた記憶の底からふたたび呼び醒ますのである。そうだ、五感を研ぎ澄まし五官を総動員して「うたのふる郷」、そのイメージを克明に思い描き、自らの裡に「笑いの響和国」を措定する、そこから始めるのだ。
そしてぼくたちはおもむろに歩き出すだろう、時間の堆積に埋もれた「記録」を求めて。「記録」とはなにか。たとえば、主人に忘れられ埃にまみれた一巻のテープ。その中にはノイズの海底に沈んで「声の記憶」が匿されている。ぼくたちは海底に棲む深海魚のようにさらに用心深く、ノイズの間から微かに聴こえる囁き、「声の記憶」を聴き取らなければならない。また、廃品回収待ちの古本や古雑誌、その行間にも「モノガタリ」の手掛かりは潜んでいる。ぼくたちは地を這う蟻のように細心の注意を払って活字の上を這いまわり、「モノガタリ」に通じる通気孔をさがさねばならない。そうだ、茶色く変色した印画紙や劣化したフィルムにも刻印された「時代の貌」を見つけることができるかもしれない。こんなふうに「記憶」や「モノガタリ」の断片と断片を接ぎ合わせることによって大きな時間「時の刻」は見えてくる。
 如是我聞。さらにぼくたちは、往時をいまに生き抜いてきた人々の貴重な「証言」を聞くだろう。名もなき庶民一人びとりが歌いながら、懸命に歩いてきた道筋を訊ねること。かれらが辿ってきた「往来」「大道」の向こうにはきっと、「大衆藝能の天地」が大きな広がりをもってあらわれてくるはずだから。そう、庶民は「語り部」である。かれら一人びとりの魂の内にある「自分史」の中に、ぼくたちがある日どこかで見失ってしまった「大衆」の居場所を訪ねあてることができるだろう。言わずもがなだが「証言」に演者/聴衆のべつはない。なぜなら「大衆藝能」における「至芸」とは個人の才能と努力だけで十全に開花するものではなく、それをを愛する人々の見識・審美&批評眼、なによりも大衆の拍手と喝采が「芸」を磨くのだとおもう。その意味で、ぼくたちはなにを措いても「芸」が生まれ育まれた場所へ足繁く通わなければならないだろう。芸が人とひととの交流の中で研磨されるように、人もまた風土によってやさしく育てられ厳しく鍛えられる。いまあらためて「風土」と「生類」の交歓(交感)、その態様を活写すること。この凝視の先に「藝能の始原」は浮かび上がってくる。モノガタリの復権。これもまた言わずもがなだが、万物均質化の歯止めの利かなくなった「デジタル社会」に抗して、わたしたちのなかにもう一度、「身体性」「人間性」を取り戻す契機にしていきたい。
歩き・見据え・考えること。ぼくたちの「幻視行(=ルポルタージュ)」の大原則である。音&紙資料の間を逍遙し、有縁無縁のつてを辿って歩く。まことに気のとおくなるような厖大且つ地道な作業にちがいない。そう、宙天(ミソラ)に歌舞を求めて、ぼくたちは「モノガタリ宇宙」をあてどなく彷徨するだろう。だが、ぼくたちはこの「大衆」と「うた」を探し出す旅「演習旅行」をかならず貫徹するのだ。
まず、針路を西にとった。[上方藝能ルネサンス]一名「てなもんや藝能バラエティ」全20巻の読み切りのお粗末、いざこれより……

2011年2月24日 ミソラレコード 神谷一義

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