記忘記 note/off note 2020-01-14
日々の泡
昨年もっとも残念だったのは、10月に永遠のヴァガボンド・沖至さんと天才・原田依幸いさんとのDUO、初共演を企画したものの、ついに実現できなかったことだ(沖さん、ご体調不良のため)。天才二人の「出会い」を記録して、一枚のアルバムにしたいとおもっていた。波浪が障害に遭うごとに強度を増すのなら、わたしの想いもまた…。いつか叶うだろうか。それとは別に川下直広さんとあたためている、沖至の「記憶を記録する」もうひとつの企画がある。いまは詳しくは書けないが実現すればきっと、沖至の音楽漂浪半生を集約し、その音楽の核心にある「漂泊性」をより顕在化して、「同時代音楽」の基底に孔を穿ち、わだかまるパトスをマグマのように噴出させながら「世界記憶」へと回路を繫ぐ「アラウンド・ジャズ(ジャズ周縁)」の重要な記録となるだろう。そのヒントは『夜の眼 Les Yeux de La Nuit 』このアルバムのなかにある。そう、闇の中の黒い馬は夜の帳の向こうに隠れている。 2020.1.14
2020-01-15 00:06