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記忘記 note/off note 2020-11-12

言葉の渇きと響き

先日たまたま書店で出会した菅義偉再刊本を探す老婦人のことを考えている。菅の本を購入しようとする行為の中にはメディアが垂れ流す情報の虚構性をかいくぐって真実に迫ろうとする庶民の必死さが感じられた。長いものに巻かれたい、積極的に騙されたい・誰かに縋りたいというよりは何かもっと切実な、切羽詰まった印象を受けたのである。むろんそれは旧態依然とした制度を肯定し延命する、大衆が陥りやすい陥穽であり錯誤であり倒錯なのだろう。けれども、これもメデイアのプリズムが乱反射して引き起こす一現象なのだから私には笑えない。大衆のアンガージュがたやすく制度に回収され支配を補完してしまう苦いアイロニー。それにしても常態化した与党の無責任発言とは別に野党の言葉もまた綿菓子のように甘く軽い、どこか絵空事でいまひとつ庶民生活者には届かない憾みが残る。むしろいまはそちらの方がより気になると言っていい。私の思念の中で書店の光景とトランプの妄語に熱狂する白人貧困層の姿がオーヴァーラップする。この共同幻想には親和性があり、「共感」という実感をまとっているだけに正体を暴くのは厄介だろう。だがいつかかならず「実感のファシズム」を粉砕し、大衆の魂にインスパイアする生身の言葉を入手しよう。手垢まみれのパブリックイメージを突き抜けた自立と共生が調和するあらたな共同性に資する世界の共時性を貫く共通言語こそを。そのとき、あの老婦人とまたどこかで再会できるだろうか。2020.11.12

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