記忘記 note/off note 2021-10-26
吐く夢
最近クラシックをよく聴く。主に19世紀末から20世紀初頭に登場した音楽家たちの作品だ。音楽が告げ知らせるものは戦争と革命の予感・民族の勃興である。ジャズはそこからの逃走を闘争に変えて実存的だが西欧音楽もまたアンガージュ・歴史の酸いも甘いも噛みしめて実存的だ。どちらにもつよく惹かれる。
この国のフォークソングにとって1970年代は豊穣な季節だった。造反有理の青春が終わりフォークロアが暮らしに根を下し唄の実を熟らせた一期。最近かつての担い手たちがプロテストソングを歌う姿によく出会す。この時季こその異議申し立てに共感するが私的な唄ももっと聴きたい。あの時の夢のつづきを。
今回の「ご成婚」騒動は象徴天皇制の本質をはからずも炙り出しただろう。個人的発言がまるで許されず基本的人権すら一顧だにされぬデクノボーでのっぺらぼうな存在。生身の「人間」を剥奪された制度としての。たしかに天皇家は世界に冠たる非人道一本槍で罷り通るこの国の象徴と呼ぶに相応しい。
2021-10-26 23:03