記忘記 note/off note 2022-01-10
地図のない旅の心得
暇に飽かしてネット検索をしていて引っかかったのがこの3枚組コンピレーション『Lullabies For Catatonics』。紹介文にはこうある「60年代後半から70年代初頭にかけて、バルトーク、バッハ、ビートルズからダダ、ダリ、ポップアートまで、あらゆるものに触発されたアンダーグラウンドの頭脳派が敢行した地図なしの旅を描いている。突然、ポップミュージックは、もはや6月の月のような歌詞と伝統的な曲の構成に縛られることはなくなった。その代わりに、抽象的なもの、不協和音、超現実的なものを受け入れ、ポップはロックとなり、ロックはアートとなった」。なるほど、と興味はそそられるが待て暫し。「地図なしの旅」にガイドってのはおかしくないか?これでは三泊四日「秘境の旅」ツアーかとヤユしたくなるではないか。この手のコンピは性格上、啓蒙的にならざるを得ぬが、ある種の意図や意図をもって一旦プログラム化されてしまうと気持ちが途端に萎えてしまうのも事実だ。リスナーの啓蒙や向学心(好奇心?)の啓発が目的なら、予め組まれたプログラムを示すよりも、対象への興味を自然に引き出すことの方が独自で大きな発見があろうし、持続性も高まろうというものだ。音楽への向き合い方一つで「無数のプラトー」があらわれる。ならば、自分の耳・感性ひとつたよりのノマドとして「旅する音楽」その記憶と創造の豊かな鉱脈を探りあてることがよりたのしいにきまってる。とかなんとか御託を並べても、結局は買わない言い訳。で、これも暇潰しの延長。
2022-01-11 01:27