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記忘記 note/off note 2019-10-10



湧き上がる庶民大衆哀歓の呂律

今年の師走は又「秋田民謡バラエティ2019」(12/21 浅草木馬亭)。このイベントも2011年開始以来、今回で第9回を数え、いよいよ浅草・暮の風物詩になりつつある(ちと言いすぎか)。当初はこのイベントを多くの音楽家や音楽関係者に観てもらいたいと考えていた。この国の風土に根差した呂律を同時代音楽の「音の力」でさらに賦活してほしかったからである。大衆的無意識の意識化は、その試行自体が呼び水になってかならず音楽に内在する漂泊性の根っこを露出させ「世界記憶」を喚起するにちがいないと考えた。残念ながら年の暮は音楽関係者にとっては繁忙期、8回を通して音楽家の来場はヨシダダイキチさん、原田依幸さん、川口義之さんら両手で余るほどだっただろう。このことについては些かならず寂しい思いもしたが、本イベントを諦めずに継続できたのは偏に、毎年たのしみにご来場くださるお客さま(その多くは秋田出身の方たち)の喜ぶ姿、「面白かった」「毎年たのしみにしていますよ」「来年もまた来るね」等々、秋田の唄ッコを愛してやまぬ老若男女のあたたかい励ましの言葉があったればこそと感謝は尽きない。あらためて、わたしが拠って起つところはしんじつ「庶民大衆」をおいてほかにないことを思い出させていただいた。さらにこの間にわは音楽観にも変化が訪れただろう。先述したとおり、わたしは土着の「謡」を、西洋音楽を規範とする「サウンド」を外付けすることでヴァージョンアップしてグローバル化を図ろうと目論んだわけだが、それがまったくの誤りではないにしろ、もっと「謡」の魅力を十全に引き出しつたえる直接的な話法があることに気づいたのである。そう、言葉は音楽の酵母であるという自明性によって。風土固有の謡や音頭(を含む語りもの)は殊にこの自明の真実を如実に物語る。ならば、言葉に音楽の霊性が宿る回路を外側から遮断するのではなく、言葉に本来備わった律動を内側から強化し、そこにあらわされた「風と水のリズム」融通性と通気性を最優先させること。これは秋田唄ッコだけではなく、八重山謡や河内音頭にもすでに認めてきたことである。だからして、まずは大衆のなかで生まれ揉まれ育まれて、今も厳然と生きつづけている庶民大衆・哀歓の呂律から出立しよう、そうおもったのである。今日・あるがままの秋田唄ッコ、暮らしに根差した庶民大衆が顕現する諸相と実相を歌声と踊りのなかにご確認いただければ幸甚。 2019.10.10

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