とおく彼方から風に乗ってたちあらわれる、まぼろしのジンタ饗和国。
本作はいまこの国から急速に失われつつある大衆音楽/藝能の現代的再生を目指して制作された。八重山の謡人・大工哲弘独自のジンタワールドと本邦一の街頭宣伝隊・ちんどん通信社熟練のチンドンサウンドの合体。さらに同時代の旋律を奏でつづけるオフノートの精鋭たちの強力サポートを得て甦る唄の数々。明治に流行ったわらべうた・俗謡から大正に作られた童謡、昭和初期の沖縄民謡&歌曲・はぐれ唄まで語り・語られざるニッポン大衆音楽史/裏面史を「御一新」から大正デモクラシー、昭和大恐慌、満州国建国、やがて茶色い戦争……、破滅へと到るこの国の近代史、民衆が歩んできた長い道のりに重ね合わせた100年の夢。
本作で表された音楽について、幻視のルポライター、朝倉喬司はこう綴る。
「世々、子どもたちの体と心を弾ませてきたわらべ唄、童謡。おとなにはなったものの、渡る世間の風は何かと冷たく、ふと口をついて出たため息に、どこからかメロディが寄りそったような流行り唄。遊びの気分横溢した戯れ唄。読み人知らずのまま、紅灯街の闇に漂った、はぐれ唄。
こうした歌の数々を、大工哲弘は、何か大きなうねりの上に解き放つように歌う。「うねり」を場に誘い寄せているのは、ちんどん通信社社中のサウンドに重層化された、大地の鼓動と天上の風のゆらぎの照応を目指したかのような、卓抜なリズムである。」(ライナーノーツ『彼方からの力』)
ニッポンの大衆音楽/芸能のマザーランド。風のようにどこからともなく流れてきて体と魂を攫ってゆく異郷の調べ。「なつかしさ」と「あこがれ」が出逢う歌の邦、あらゆる地上の重力から解放された水平の音楽満つるところ、そこがジンターランドだ。誤解を恐れずに敢えて言おう。この唄と音楽が物語るものは、真の五族共和の夢であり、唄と音楽の合力による大東亜共栄圏の幻影、夢まぼろしである、と。 2006年作品
1.シャボン玉 [IN]
2.一かけ二かけ(西郷隆盛娘です)
3.荒磯の歌
4.東雲節
5.船頭小唄
6.煙草のめのめ
7.あの町この町
9.砂山
8.雨降りお月さん
10.汗水節
11.馬賊の唄
12.八重山農林高等学校
13.影法師
14.可愛いスーちゃん
15.満鉄小唄(雨ショポ)
16.シャボン玉 [OUT]
参加ミュージシャン:
大工哲弘 Vocal,三絃
ちんどん通信社:
林幸治郎 Chindon,Trumpet,Cornet,Cymbals
小林信之介 Clarinet,Tenor Saxophone
ジャージ川口 Banjo,Grosse Caisse,締太鼓
花田雅史 Soprano Saxophone,Grosse Caisse
川村光司 Tuba,Euphonium,Alto Saxophone
小林寛明 二胡、Grosse Caisse,Cymbals
林美千代 Chindon,Grosse Caisse
TAMA Accordion
岡奈那 Trumpet
with
邑楽隊:
中尾勘二 Soprano Saxophone,Snare Drum
関島岳郎 Ukulele,Pianica,Recorder,Sine Wave,Percussion,口琴
船戸博史 Contrabass
堀田博喜 Alto Saxophone
岩渕理緒 Clarinet,Percussion
橋本剛秀 Bass Clarinet
戸次和歌子 Trumpet
古池寿浩 Trombone
渡辺勝 Piano,Hammond Organ
向島ゆり子 Mandolin
山田吉育 Blues Harp
川崎巽也 Electric Guitar
上地‘gacha’一也 Electric Noise
城間和広 Percussion
[試聴]
4.東雲節
■ 商品説明
いま、急速に失われつつある大衆音楽/藝能の現代的再生を目指して。大工哲弘独自のジンタワールドとちんどん通信社熟練のチンドンサウンドのコラボで甦る唄の数々。明治わらべうた、大正時代の童謡、昭和初期の沖縄歌謡&はぐれ唄まで語り・語られざるニッポン大衆音楽史/裏面史を「御一新」から「大正デモクラシー」、やがて茶色い戦争…破滅へと到る近代史、この国の民衆が歩んできた長い足跡に重ねた100年の夢。
■ 商品仕様
製品名 | ジンターランド / 大工哲弘&ちんどん通信社 |
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型番 | on-58 |
JANコード | 4571258150589 |
メーカー | オフノート |
製造年 | 2006年 |